ライトノベル感想 > サイコロジカルの感想




sponsored link



サイコロジカル 感想&作品データ

サイコロジカル」(Psycho Logical)

「サイコロジカル」は、2002年11月5日に講談社ノベルスから刊行された、

西尾維新」によるライトノベル作品シリーズ「戯言シリーズ」の第4作目の作品。

上巻(兎吊木垓輔の戯言殺し)と下巻(曳かれ者の小唄)の2巻構成。

イラストは「」が担当。2008年10月15日に文庫版が発売されている。


天才工学師・玖渚友のかつての「仲間(チーム)」、

兎吊木垓輔(うつりぎがいすけ)が囚われる謎めいた研究所――

堕落三昧(マッドデモン)斜道卿壱郎研究施設。

友に引き連れられ、兎吊木を救出に向かう「ぼく」こと

“戯言遣い・いーちゃん”の眼前に広げられる戦慄の“情景”。

しかしその「終わり」は、さらなる「始まり」の前触れに過ぎなかった――!

(出典:ウィキペディア)

サイコロジカル 上 (講談社文庫 に 32-4 西尾維新文庫)





■ サイコロジカルの感想(出典:Amazon)


今回の話はいーちゃんが壊れてしまうか玖渚ちゃんが更に壊れてゆくか、

という感じでいつもながらに(いつも以上に)痛かった。

いーちゃんの独白、戯言に、玖渚ちゃんの救われ無さに、

『死線』の言葉に、読んでいるこちらの方が真っ先に壊れてしまいそうに成った。

今回の物語で、今まで停まっていたある『スイッチ』が入った。

そして玖渚ちゃんの『闇』と、いーちゃんの『罪』を垣間見た気がする。

これからこの二人はどうなっていくのだろう?

いーちゃんは玖渚友を『壊す』のか『死線の蒼』に『終わらされ』続けるのか。

この二人の過去は開けてはならない箱のような気がする。

今回、トリック以外の真相、「真」犯人や小唄さんについてのこと等は

早い段階から気付いてたんですが、

そのことに西尾さんは重点置いてないと思うので全然良いと思う。

ミステリ作家と分類されながら、

『ミステリ』と分類する作品を書いているのに『ミステリ』に捕われていない、

そう云うなんと云うか、ナチュラルに規格外な西尾さんがとても凄いと思う。

でも、オビの『青春エンタ』と云うのには笑った。

青春している登場人物が居ない気がするのだが(笑)




下巻を読んだ後にもう一度上巻を読んでみましょう。

おいおい、こんなことを今言っていいのか?

っていう表現がポンっとでてきてます。

繰り返し読みが作為的に置いてあることに賛否両論はあるかもしれません。

私の場合は二度美味しいと思って得した気になりました。

理由はクビシメロマンチストを二度読みすれば、

この感じがわかると思います。

ニヤリとする感覚、味わってみてください。




この作品は戯言シリーズで一番分けわかんない度が高いもの。

しかし冷静に読めばとてもおもしろく興味深い

内容であるとおもう。

最初の格言っぽい主題のようなものからも、

少ないながら兎吊木咳輔と主人公のいっくんのやりとりが

ストーリーの肝であると思われる。

だからそれの意味する所が最初から最後までわからないと

“わけわからん”とか“なんじゃこりゃ”で終わってしまうので注意。

でもとても興味深い作品だと思う。読み手をうならす。




戯言シリーズの4作目。

作者自身、本シリーズでミステリ味があるのは3作目までと言っているが、

私はむしろ本作がミステリとして一番成功していると思う。

物語は、玖渚友のかつての仲間の兎吊木が

囚われている正体不明の研究所に、救出のためお馴染みのメンバが乗り込むが、

そこで殺人事件が起こり、その犯人探しに戯言使いが奔走するというお話。

研究所には、玖渚や戯言使いの旧知の人物もいる。

ミステリを書かねば、という縛りが無くなったせいか

作者の筆致は伸び伸びとしている。

妖しい女賊が発する「十全でございますわ」という

言葉の繰り返しギャグも大いに笑わせてくれる。

人物描写で言えば、

レギュラー化している看護婦さんのクールでお茶目な言動も魅力的だ。

肝心のトリックだが、それ自身は新しくないのだが、

作者のストーリー展開の巧みさと人間模様の複雑さとで注意が脇に逸れ、

トリックをトリックと気付かせない所がうまい。

それまでのシリーズの成功が作者に与えた自信と余裕のなせる業だろう。

そして、何と言ってもうまいのが、冒頭と結末との対比である。

冒頭のあのセリフがああして結末に繋がることを誰が予想し得たろうか。

5作目以降は本当に殺戮合戦に入ってしまうので、

本作が最後のミステリ味を持った作品になってしまった。

また、別な機会に本作のような作品を読んでみたい。



サイコロジカル 下 (講談社文庫 に 32-5 西尾維新文庫) ネコソギラジカル(上) 十三階段 (講談社文庫) サイコロジカル 上 (講談社文庫 に 32-4 西尾維新文庫)




■ 戯言シリーズの感想